中共政権の習近平は、南シナ海、東シナ海、そして台湾問題で、全方位的に強行手段をとるつもりのようだ。米日豪印のクアッドの動きと、東南アジア諸国を交えた、アジア版NATOの動きに神経をとがらせているようだ。

アメリカはすでに「一つの中国」の相手は台湾政権と考えているようで、現在の日本も、経済的な問題は別にして、東アジアの平和や自由と人権の側に立つのであれば、台湾政権の側に立つべきだろうね。しかし勝手に台湾を「核心的利益」としている中共政権は、台湾に対して恐喝的な圧力を加え続けているよ。引用はZAKZAK(2020/10/16)ね。

米大統領選の投開票(11月3日)が近づくなか、自由主義と共産主義が対峙(たいじ)する最前線、台湾海峡が緊迫している。中国軍機は9月以降、台湾の防空識別圏に頻繁に侵入しており、中国の習近平国家主席は「全身全霊で戦争に備えよ」と軍に指示した。新型コロナウイルスで世界が苦しむなか、「戦争」に言及するとは信じがたい。米海軍は14日、ミサイル駆逐艦を台湾海峡に派遣して、中国を牽制(けんせい)した。

「『自由で開かれたインド太平洋』への米国の関与を示す」「米海軍は国際法で許されたあらゆる場所で飛行し、航行し、作戦行動を実施する」
米太平洋艦隊報道官は14日、駆逐艦「バリー」が台湾海峡を同日通過したことを発表したうえで、その意義を語った。同艦は、アーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦で、イージスシステムを搭載し、対艦、対空、対潜などさまざまな任務を遂行可能だ。

台湾海峡では9月以降、中国の軍事的挑発行為が続いている。台湾国防部は16日、中国のY8対潜哨戒機1機が15日夜に台湾の防空識別圏に入ったと発表した。中国軍機の侵入は6日連続で、中国軍が台湾周辺で活動を活発化させた9月16日以降では、18回目となる。

習主席は今月13日、広東省の海軍陸戦隊(海兵隊)の部隊を視察し、「全身全霊で戦争に備え、高いレベルの警戒態勢を維持しなければならない」と指示した。新華社が伝えた。陸戦隊は上陸作戦に投入される部隊で、台湾や沖縄県・尖閣諸島への作戦を念頭に置いた部隊とみられる。

中国は新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)を引き起こしながら、軍事的覇権拡大を着々と進めている。これに対し、米国中心の自由主義陣営は引かない構えだ。
日本と米国、オーストラリア、インドは6日、東京で「4カ国外相会談」を開催。4カ国は「自由で開かれたインド太平洋」戦略で一致した。
さらに、米海軍と海上自衛隊は12日、南シナ海で日米共同訓練を実施した。海自はヘリコプター搭載護衛艦「かが」と、護衛艦「いかづち」、米海軍からはイージス駆逐艦「ジョン・S・マケイン」と、補給艦「ティピカヌー」が参加した。

世界に覇権を広げようとしている習近平は、「全身全霊で戦争に備えよ」と軍に指示したんだってよ。どうも、香港、台湾に関しては本気で戦争やる気のように見えるんだけどね。

中国共産党は、大戦中、連合国として戦ったわけではなく、疲弊した国民党軍と戦い、戦勝国としての立場を奪い、国際的な位置づけをも奪い、戦後秩序の中で、主要な位置も国民党から奪ったのよね。

しかし、中国共産党政権は、毛沢東の下、無謀な大躍進政策で数千万の餓死者を出し、その後の文化大革命でも数千万の虐殺が行われ、権力の正当性すら失おうとしていたのよね。その当時、国際社会が一致して、歴史的にも未曽有の反人権的な独裁国家による「虐殺」に対して、強力な国際制裁を行えば、共産党政権は崩壊したんだろうけど。

それを、アメリカや日本は、あろうことか救済の手を差し伸べたのよね。アメリカも日本も、中国が改革開放路線を取り入れることで、中長期的には、資本主義化が進み、西側諸国とも歩調を合わせて進むことができると考えたんだろうね。また何よりも、当時の安価な人件費、豊富な資源、無限に近い市場性などの、経済的メリットを考えたのは間違いないだろうね。

中国にとってはこれは渡りに船で、日本の申し出に対し、鄧小平は、「中国は井戸を掘った者を忘れない」と言い、日本に感謝の意を表したようだけど。でもね、経済大国になった現在の中国は、カネと軍事力で、領土を奪い、国際ルールを無視し、新植民地主義の凶暴な国家になってしまったような。

習近平政権になってからは、新植民地主義的傾向が顕著になったよな。巷間「習近平は毛沢東になりたがっている」とか言われてるんだけど、そうかもね。習近平は文化大革命のときには、紅衛兵の端っこで、パシリをしていたような存在で、下放運動でいなかに追いやられ、それなりには苦労したようだけど、それだけに、毛沢東の巨大さを意識してたんだろうね。

その後、共産党政権の高官だった父親が復権すると、呼び戻され、権力の階段を上り始めたのよ。文革を経験し、生き残った紅衛兵世代では、昔の価値観は破壊され、「勝者が全てを得る。誰かを負かせば英雄になる。金持ちになったなら、それは道理があったということだ、という信条に取って代わった。」とかいわれてるんだけど、習近平下の共産党政権の現在を見ると、まったくその通りだと思っちゃうのね。

中国が勝手に「核心的利益」としている、台湾問題、南シナ海問題、尖閣諸島問題では、いずれ軍事的衝突が起きると考えているのね。中でも台湾問題は「一つの中国原則」もからんでおり、台湾海峡周辺には中国の爆撃機や戦闘機が飛び回り、アメリカのイージス艦や空母が航行し、いつ偶発的な武力衝突が起きてもおかしくない状況だよ。香港での騒動を注視してきた台湾政権は、アメリカを背景とし、機会を見ていずれ独立に踏み切ると思うよ。

日本は、一応日米豪印のクワッドに参加し、中共政権の新植民地主義的動きに対峙する動きはしているものの、経済界や、自民党内にも、チャイナマネーに対し物欲しそうに擦り寄りたい勢力も未だ多いようで、台湾有事の際に、日本がどうするか心配だよ。ただね、真にアジアの平和を考えるならば、中国は民衆の手により民族ごとに分割され、台湾政権が中共政権にかわり、大陸に復帰すべきだとは思ってるんだけどね。夢物語なんだろうか。