すでに中国共産党政権は、大戦前のナチスドイツとその様相に大差はない状況になってきたよな。かつて、そのナチスドイツのチェコズデーデン地方への進出に対して、国際社会はドイツのそれ以上の領土的要求を行わないことを条件に認めてしまったことから、第二次世界大戦へと入っていったんだよね。現在の中国の、南シナ海、東シナ海に対する、一方的な力による現状変更の意図は、ナチスドイツと重なるもので、非常に危険なものと言わざるを得ないよ。国際社会は、これに対して連携して立ち向かっていかなければならないのは当然だよ。引用はZAKZAK長谷川幸洋氏(2021/03/20)ね。

日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」の首脳会合が12日、オンラインで開かれ、中国を念頭に「自由で開かれたインド太平洋」構想に向けて、結束を強化する方針で合意した。

4カ国が、海洋進出を加速している中国に対抗して、どんな具体的行動を打ち出すか、が焦点だった。フタを開けてみれば、インドに資金を提供し、インド太平洋地域に新型コロナウイルスのワクチンを供給することが盛り込まれたくらいで、肩透かしの印象が残った。

途上国へのワクチン供給といえば、もっともらしいが、首脳会議に慎重なインドを説得するために、カネを出した面が強い。ワクチン供給が狙いなら、米国が直接、途上国に配分すれば済む話だからだ。だが、資金提供だけだと、「カネでインドを賛成させた」印象が強くなる。それを避けるために、他国へのワクチン供給話を持ち出したのが、実情ではないか。
ただ、そうだとしても、批判には当たらない。渋る相手を説き伏せるのにエサを与えるのは、どこにもある話だ。外交も例外ではない。

クアッドの見どころはこれだけかと思ったら、実は違った。
読売新聞が会談後の14日、「日米豪印にフランスを加えた5カ国が4月上旬、インド沖のベンガル湾で海上共同訓練をする」という特ダネを報じたのである。

特ダネにしては、2面2段と地味な扱いだったが、本来なら、これこそ1面トップ級だ。ニューデリー発の記事は「インド政府関係者が明らかにした」と書いている。もしかしたら、「中国を刺激したくない」というインドの意向が働いた可能性もある。

それはともかく、報道が事実なら、米国など3カ国はやはり甘くなかった。資金提供の見返りに、共同訓練を手中に収めていたのだ。共同訓練は想定された対中政策の中で、もっとも訴求力の強いメニューでもある。
4カ国だけでなく、フランスが参加するところも頼もしい。英国も南シナ海に空母打撃群を派遣すると報じられている。この勢いだと、近い将来、クアッドに英仏を加えた6カ国の共同訓練が実現する可能性も出てきた。

つまり、いまや中国包囲網はインド太平洋に留まらず、欧州も巻き込んだ世界的な潮流になりつつある。
日本としては、訓練海域が沖縄県・尖閣諸島沖でなかった点が残念だが、中国の反応を見極めつつ、いずれ台湾沖あるいは尖閣諸島沖で展開し、圧力を強める余地を残している、とみていい。
クアッドの連携は、報じられた以上に進んでいる。

4カ国首脳は、14日付の米紙「ワシントン・ポスト」に連名で寄稿し、連携強化を公約した。これだけ多方面にわたる事前調整は、米国抜きにはできない。
16日には日米の外務、防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が行われ、18日には米中の外交トップ級会談が開催。たたみかけるような展開だ。ジョー・バイデン政権発足2カ月としては、まずまずの滑り出しと言えるだろう。

以前、中国が提唱したAIIBや一帯一路計画に、ヨーロッパ諸国が色気を示していたよね。ここでは、AIIBや一帯一路は、中国の覇権拡大のためのものだということを何度も言ってたんだけど、ようやくイギリス、フランス、ドイツなどのヨーロッパ諸国も気づいたようで、逆に、中国の香港やウイグルでの人権蹂躙、自由抑圧的な態度と、南シナ海での一方的な覇権拡大に怒り始めたようだね。

安倍総理が中国の「力による一方的な現状変更」を抑止するためのクアッド構想が、さらに米英仏も加わり、より確固としたものになりつつあるよ。そして、「日米豪印にフランスを加えた5カ国が4月上旬、インド沖のベンガル湾で海上共同訓練をする」とか、いいんじゃね、いいんじゃね。

また別記事によれば、日米も、東シナ海で、大規模な共同訓練を行うとか。岸信夫防衛相によれば、それは、尖閣諸島防衛を想定したもので、陸海空の自衛隊が参加する統合訓練となるようだね。この共同訓練で、尖閣諸島の大正島と久場島を、日米共同訓練の射爆場として、ぜひ使ってほしいんだけど。これについては中国は何も言えないはずだし、定期、不定期で射爆場として使えば、中国の艦船もうかつなことはできなくなるよな。

ただね、日本人の多くは、中国が尖閣諸島に上陸し、占拠するようなことがあれば、米軍が出てきて駆逐してくれるように思っている方々も多いようだけど、中国の行動がはっきりとした軍事行動でなければ、実際には米軍が出てくることはないのよ。中国の海上民兵が、漁民として上陸し占拠するような場合は、それは日本が警察力で駆逐するしかないのよね。中国が狙っているのは、そのグレーゾーンなわけよ。

中国は、海警局を海軍指揮下に置き、実質的な第二海軍として、また漁民などを海上民兵として訓練し、実質的な陸戦隊として、数百隻の漁船とそれを守る武装した海警船で押し寄せ、一気に上陸し、あとは南シナ海ばりに、軍事施設を建設するんだろうね。ここでは、このような事態に対処するため、海上保安庁から領域警備部門を分離し、アメリカの沿岸警備隊のような組織が必要だと思ってるんだけど。

現在、フィリピン沖には200隻以上の漁船が隊列を組んで待機しており、フィリピンの主権を奪おうとしているようだよね。尖閣諸島でも、近い将来そのようなことが起きることは確実だと私は思ってるのよ。