イランの革命防衛隊司令官の爆殺事件は驚いたけど、どうやら、その後の報復の応酬で、事が拡大していくことはとりあえずなさそうで良かったよな。怒られるかもしれないけど、私にとっては、イランよりも北朝鮮問題の方が重要度が高いのね。そんな観点で、イランとの関りから北朝鮮を見てみるね。引用は夕刊フジ(2020/01/08)ね。

トランプ氏の“狂気”に正恩氏震える!? イラン・ソレイマニ司令官の爆殺で…北朝鮮は挑発行為を停止 識者「正恩氏は『自分の身も危ない』と精神的に追い詰められた」
引用:夕刊フジ(2020/01/08)

ドナルド・トランプ大統領率いる米軍が「テロの首謀者」として、イラン革命防衛隊のガーセム・ソレイマニ司令官を攻撃・殺害したことで、北朝鮮の挑発行為が止まっている。昨年末までは「北朝鮮の非核化」をめぐる米朝協議に復帰せず、米国本土を射程に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射をチラつかせていたが、ソレイマニ氏殺害後は実に静かなのだ。実兄の正男(ジョンナム)氏暗殺など、数々のテロを命令・実行させてきた金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長としては、トランプ氏の「狂気」を目の当たりにして、震え上がっているのか。

《目の前で見た米国の「ドローン斬首作戦」…「金正恩委員長は衝撃大きいはず」》韓国・中央日報(日本語版)は6日、こんなタイトルの記事を掲載した。
トランプ氏の命令を受けた米軍が、中東で数々のテロを引き起こしてきたソレイマニ氏を、ドローン(小型無人機)攻撃で「除去(殺害)」したことで、北朝鮮の対米外交が変化しそうだと分析・解説した記事だ。

韓国政府当局者は「米国は、外交的に解決しなければ軍事的オプションを使用する可能性があることを明確に示した」「北朝鮮は自国にも似た状況が発生する可能性がないか懸念しているはず」と語っている。記事では、正恩氏の身辺警護が強化され、当面、公の場から姿をくらますことにも言及した。

韓国・朝鮮日報(同)も同日、《米国の斬首作戦に沈黙する北、金正恩委員長は5日間外出せず》との記事を掲載した。確かに、北朝鮮の反応は異様といえる。

朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」は、ソレイマニ氏の殺害について、発生から4日後の6日、やっと報じた。
通常なら、米国の行動に罵詈(ばり)雑言を浴びせるが、中国の王毅外相と、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相の電話会談を報じるなかで、「中ロ外相が(米国の)攻撃は違法行為で、中東の地域情勢が著しく悪化したことへの憂慮を表明した」と伝えるだけだった。直接、トランプ氏や米軍を批判・論評することは避けた。

正恩氏は昨年末の党中央委員会総会で、米国の対北政策を批判したうえで、「世界は遠からず、共和国(北朝鮮)が保有することになる新たな戦略兵器を目撃するだろう」と強がっていた。8日の誕生日に合わせた挑発行為も警戒されていたが、あの勢いとは大違いだ。
米国はかつて、北朝鮮とイラン、イラクを「悪の枢軸」と呼び、唾棄してきた。歴代米政権が、正恩氏や、父の金正日(キム・ジョンイル)総書記の「斬首作戦」を立案・検討してきたのは周知の事実である。

トランプ氏の言動にも変化が見られる。
昨年末まで、トランプ氏は「彼(正恩氏)は非核化の合意文書に署名した。約束を守る男だ」と擁護してきたが、大統領専用機内で5日、「正恩氏は私との約束を破らないと思うが、破るかもしれない」と語ったのだ。
言外に「ロケットマンよ。約束を破ったら、分かっているんだろうな!」という恫喝(どうかつ)のニュアンスを感じる。

正恩氏や朝鮮人民軍の動向を監視するためか、米空軍の偵察機RC135Wが6日、韓国上空を飛行したと、朝鮮日報が民間の航空追跡サイト「エアクラフト・スポット」の情報として報じた。

実は、トランプ政権が、北朝鮮が非核化に応じない場合の極秘作戦を準備していたという指摘がある。
ジャーナリストの加賀孝英氏は、夕刊フジの人気連載「スクープ最前線」(2019年3月18日発行)で、旧知の日米情報当局関係者の情報として、「北朝鮮への電撃的先制攻撃」や「特殊部隊潜入による斬首作戦=正恩氏排除による独裁政権壊滅」「北朝鮮人民と軍のクーデターによる新政権樹立の支援」といった、「プランB」の存在を記している。
このプランBの検討には、北朝鮮が「死神」と恐れていたジョン・ボルトン元大統領補佐官(国家安全保障担当)も加わっていたという。

今後、正恩氏はどう出るのか。
朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「米軍によるソレイマニ氏殺害は、正恩氏への警告といえる。正恩氏は(ICBM発射などで)自国の力を見せつけて、米国から譲歩を引き出そうとしていたが、トランプ氏が軍事オプションを選択したことで『自分の身も危ない』と精神的に追い詰められたはずだ。トランプ氏が『米軍は、北朝鮮も監視しているぞ』と呼びかければ、正恩氏がすり寄る可能性もあり得る」と語っている。

イランと北朝鮮は、アメリカはかつて、「悪の枢軸」と呼んでいた国だよね。そして、イランと北朝鮮は、核開発やミサイル開発で、何かとやり取りしてた国なんだよな。そのイランは、イラン国軍と革命防衛隊の2系統の軍事組織を持ち、反イスラエル、反米の立場から、テロを含む軍事行動を行っているのよね。ペルシャ湾でのタンカー攻撃などは、恐らくは、この革命防衛隊の末端組織によるものと思ってるのね。

北朝鮮は、1980年のイラン・イラク戦争ではイランを支援し、その後、共産圏とイランの間の兵器取引の仲介を務め、また自国のミサイルをイランに売却するなどの軍事的協力が行われているのよ。またイランの核開発計画での協力しているという疑惑もあるのよね。

北朝鮮の核開発やミサイル開発が問題が大きいのは、単に日本にとっての脅威というだけではなく、北朝鮮の核技術やミサイルが、ISなどまで含む中近東のテロ組織にまで拡散する恐れがあるからで、国際社会はなんとしてもそれを抑え込まなければならないわけよ。

金正恩は、昨年末の朝鮮労働党中央委員会全員会議で、「衝撃的な実際の行動に移る」「世界は遠からず、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が保有することになる新しい戦略兵器を目撃することになるであろう」「新しい道を歩むだろう」と話した。またその前には「クリスマスプレゼント」にも言及していた。

この中の「新しい戦略兵器」「クリスマスプレゼント」については、アメリカは、無人、有人偵察機を飛ばし、戦略爆撃機も飛ばし北朝鮮を威嚇し、北朝鮮の手足を縛ってしまったのよね。そのため、今後の方針として「苦難の行軍」を覚悟せざるをえなかったんだよ、きっと。

でもね「新しい道を歩むだろう」の言葉には、もしかするとイランがらみの意味があったのかもしれないよな。金正恩は「私たちが仕方なく選択することにもなり得る『新しい道』が米国の将来にどんな影響を及ぼすか悩まなければならない」と話したのね。これは「北朝鮮の核とICBM技術をイランに渡す」ことを意味してるんじゃないのかな。それをアメリカに対して使うのは、テロ組織としての実績が豊富な革命防衛隊ということになる。

もしかして、革命防衛隊司令官のソレイマニ氏が爆殺されたのは、この情報がアメリカに掴まれたからではと思ってるのね。つまり、今回の爆殺事件は、イランの反米軍事行動に対するものであると同時に、北朝鮮の「新しい道」を封じるためではなかったかとね。

そう考えれば、次のターゲットは金正恩ということになるよ。金正恩は昨年末の「クリスマスプレゼント」までは、えらく躁状態だったのが、その後は姿をくらまし鬱状態になってるようだよ。ここにきて、体調も芳しくなく、以前から言われてきたように、ステロイドの過剰摂取で、そう長くは生きられないとする方々もいるよね。

もし、ここでの推測が正しければ、アメリカは金正恩体制を崩壊させる方向に向かうよな。ただ、ソレイマニ氏の爆殺のような手段は簡単にはとれないだろうね。まずは制裁を強化し内部崩壊することを画策するのだろうね。それができそうもなければ、徹底した準備の下に、金正恩の除去作戦を行うことになるんだと思うよ。

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北朝鮮、今回の「クリスマスプレゼント」作戦が崩壊したことで、アメリカとのチキンゲームは終わったと思うよ。それに、今回のソレイマニ氏爆殺で、イランルートも封じられたんだよな。もう終わったよな。金正恩、健康状態もすぐれないようなので、ロシアにでも亡命したらいいと思うけどね。恥ずかしいことはないよ。尊敬するじいちゃんの金日成も、中国軍を脱走しソ連に逃げたんだよね。朝鮮戦争でも、ピョンヤンに国連軍が迫ってくると、真っ先に中国に逃げたんだよな。
韓国のムンジェインと一緒に逃げたら、「朝鮮半島に平和をもたらした」とかって、ノーベル平和賞がもらえるかも。それはさすがにないか。