新型武漢肺炎で、世界中が取り合えず鎖国状態になってしまったよな。しかしね、これはこれまでの行き過ぎたグローバル化がもたらしたものなんだよね。これが、世界にもたらす経済的な影響は甚大なもので、日本も大きな経済的な混乱に陥るだろうね。でもね、鎖国時代の日本の経済を考えれば、乗り越えられないものではないと思うんだけど。引用はロイター(2020/03/18)ね。

焦点:新型コロナで中国から輸入半減、次は日本の輸出に打撃も
引用:ロイター(2020/03/18)

新型コロナウイルスの影響で中国と日本をつなぐ、サプライチェーンが大きく損なわれている姿が2月貿易統計でも確認された。中国からの資材輸入が幅広い分野で激減。さらに企業の間では供給網が回復しても事業立て直しに時間がかかるとの見方が目立つ。背景には、この先の需要回復がままならず、輸出にも打撃が待ち構えているとの懸念がある。

ある精密機器メーカーは2月中の生産販売が前年比8割以上減少した。「グループ事業に占める中国生産が70%程度を占めており、工場閉鎖の影響が大きい」としている。労働者が確保できないことが最大の原因だ。
2月貿易統計でも中国からの輸入は前年比47%減とほぼ半減した。特にウエートの高い原動機や電子部品などが40%を超える落ち込み。輸入総額の2割を占め、日本国内での生産ネットワークに多大な影響を与える中国からの輸入が停滞したことで、日本企業は生産販売体制を維持するために取引先との調整に奔走しなければならない状況となった。

日銀が発表した実質輸出入でも、輸入は10ポイント以上の減少、水準は基準年の2015年の100を割り込んで99.9となり、東日本大震災翌年の12年10月以来、7年半ぶりの低水準となった。
3月ロイター企業調査でも原材料・部品の調達に支障が出て調達品が不足した企業が全体のおよそ半数にのぼることが明らかとなった。2月中はまだ在庫で凌ぐことができている企業もあったようだが「売り上げに影響が出始めるのはこれから」(卸売)との指摘もある。

IHSマークイットの主席エコノミスト、田口はるみ氏は「中国で新規感染者数が抑えられていることから、中国での生産、消費活動は徐々に持ち直す」とみている。
しかし日本企業では事業の再建はそれほど簡単ではないとの声も多い。
一つにはサプライチェーンの見直しがさほど容易ではないことがある。3月ロイター企業調査ではおよそ4割の企業でサプライチェーンの見直しを検討中としており、中国依存度を低下させたいとの認識は広がっている。

それでも現実には「中国以外で代替品を探そうと思っても、コストが高くつく」(食品)(小売)といった声が上がる。
さらに「調達国を中国から日本、台湾、東南アジアに変更しても構成部品が中国調達であったりして、思うように代替品を調達できない」(機械)と焦りの声も上がっている。

調達網の確保で中国依存からなかなか抜け出せず、中国経済自体の回復がままならなければ、今後も影響は残りそうだ。次なる局面は、需要消失による輸出の悪化だ。
中国での感染拡大は終息に向かっているように見えるが、6割以上の企業が事業回復には数か月、あるいは回復時期が見えないと回答している(3月ロイター企業調査)。「サプライチェーンが繋がっても、需要の停滞は長引くと想定される」(輸送用機器)との声も目立つ。


以前から言ってるように、グローバル経済は、すでに末期的な状況を呈していたのよ。それは、中国を「世界の工場」として、サプライチェーンの中心に置いてしまったことなのね。

中国がそうなり得たのは、まずは安価で無尽蔵の労働力、それに独裁体制による迅速な決定力があったからなんだと思うよ。当然、その裏には、中国国民に対する人権抑圧があったわけなんだけどね。

日本や欧米諸国は、中国の市場としての魅力に惹かれ、法輪功問題やチベット問題などの問題は見て見ぬふりをして中国に進出、あるいは資本投資をしてきたのよ。また中国の内部矛盾で膨れ上がった過剰生産力を、中国が一帯一路で海外に向けたことに対しても、その植民地主義的側面を見て見ぬふりして今に至っているのよ。それが今回の武漢肺炎が世界に拡散しパンデミックを起こしている原因でもあるわけよね。

現在は緊急避難的な処置で、各国が「鎖国」状態にあるんだけどね、それはそれで悪くはないと思ってるのよ。もちろん当面は世界的な経済混乱は起きるだろうけどね。しかしはっきり言えることは、中国を世界の工場として、サプライチェーンの中心に置くことがいかに危ういかということは、多くの方々が分かったんじゃないのかな。

ここで一度グローバル経済を考え直し、中国に進出している企業を国内に戻すことなどの、反グローバル的な対応をしていくべきだと思うのね。

反グローバル的な経済の見本は、江戸時代の鎖国時代を考えればわかりやすいと思うんだけど。江戸時代の経済は、時折、飢饉が起きる以外は、全体としてうまく循環してたと思うのよ。当時の世界水準と比べても、その知的水準、文化水準、技術水準など、決して劣るものでないことは、「みちのく歴史散策」にアップしている「イザベラバードの日本奥地紀行」などでも明らかだよ。

もちろん、現代の自由主義経済は大事なんだけどね、行き過ぎたグローバル経済は世界を滅ぼすと思っているのよ。要は地域循環式の経済とのバランスの問題だと思うのよ。

アメリカのトランプ大統領が、この武漢肺炎の問題が起きる前に、海外に進出しているアメリカ企業の工場を、かなり強引に国内に戻させたよな。それにより国内経済の循環がうまくいきはじめ、アメリカの好景気につながったわけよね。

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基本は内需であり、どうしても必要なものは国内で生産するのが基本なんだと思うよ。どうしても必要で、国内で調達できないものは輸入すれば良いし、内需を満たし、それでも余剰分があれば、それが海外で必要とされるのであれば輸出すればいいだけなんだよな。
その日本がどうしても必要なものを、サプライチェーンとかで、中国が生産したりしているから面倒なことになるのよ。基本は国内生産であり、親日国との提携なんだと思うけどね。今回の問題が終息したら、チャイナマネーに色目を使うようなことはやめようよ。