平壌での北朝鮮と韓国のサッカー南北戦、無茶苦茶だったようだね。ムン政権はこれまで、スポーツや芸術文化交流は政治とは別という名目で、赤化南北統一に向けての政治目的のために使ってきたのよね。それが、詐欺的幻想だったということが、今回、韓国民にとって、非常にわかりやすい形で現れたわけだよ。引用は、JBpress(2019/10/17)ね。

南北戦が失敗、韓国サッカー界で「反文在寅」が沸騰
引用:JBpress(2019/10/17)

非常に後味の悪い結末となった。サッカー・カタールW杯アジア2次予選が10月15日、平壌の金日成スタジアムで行われ、グループHの北朝鮮代表と韓国代表は0―0でスコアレスドロー。当地でのサッカー男子・南北対決は1990年の国際親善試合以来、29年ぶりとなった。それだけに試合前から大きな話題を呼んでいたものの、結局は両国の政治がらみの思惑がぶつかり合って、おおよそ「歴史的一戦」とは呼べないような異常な状況となってしまった。

まず韓国代表には、さまざまな制約が課せられていた。イレブンが米国製ウェアを着用しているため北朝鮮代表とのユニホーム交換が対北制裁に該当することから全面的に禁止。グラウンドを降りても北朝鮮側の関係者と物品の「交換」や「譲渡」を疑われるような行為についても、とにかく細心の注意を払って慎むように韓国政府側から厳命されていたという。

こうした韓国代表チームの態度を不遜ととらえ、神経を尖らせたのかもしれない。北朝鮮側も徹底応戦するかのように、韓国メディアの試合取材を認めず完全にシャットアウト。水面下における韓国側とのテレビ中継交渉も条件を釣り上げるなどして揺さぶりをかけながら、最後は交渉を一方的に打ち切ってしまった。

それだけではない。北朝鮮側は韓国代表チームの選手やスタッフ、関係者に対し、携帯電話やタブレット機器、PCなど情報を発信及び入手できる電子機器類の国内への持ち込みまでも一切禁止していた。一部の海外メディアによれば、レギュラー選手の1人がトランジット先の中国・北京に携帯電話を置いてくるハメになってしまったとまで報じられている。

しかも極めつけは試合当日、金日成スタジアムが異様な雰囲気に包まれていたことだ。スタンドには北朝鮮国民の姿も一切なく、無観客での試合を北朝鮮政府が強行させたのである。まるで非公開の練習試合と見まがうような、前代未聞のW杯予選は「常軌を逸した一戦」として世界中のメディアから酷評された。

サッカーの国際試合では必ず設けられている取材対応エリアのミックスゾーンは、この試合会場に設けられておらず基本的にメディア取材そのものがNGのためゲーム内容の詳しい詳細は判明していない。

ただ韓国メディアは試合レポートを許された大韓サッカー協会(KFA)のスタッフを通じ、韓国代表を率いるパウロ・ベント監督が短い試合後のコメントとして、普通のゲームとは異なるムードの中で主審の判定もおかしくなっていたと不満をぶちまけたことを明らかにしている。話を総合すると、かなり怒りを募らせていたようだ。この稀有な試合を観戦した100人弱の関係者の1人で、FIFA(国際サッカー連盟)のジャンニ・インファンティーノ会長も深いため息をつきながら「観客が1人もいなくて失望した」と各国のメディアに打ち明けている。

皮肉なことに、このサッカーの「歴史的一戦」の実現は韓国・文在寅大統領が推し進める北朝鮮融和路線の限界を示す格好となってしまったようだ。KFAの事情通は「韓国政府は今回の歴史的一戦を利用し、ケンカ腰の戦いになるのではなく南北の友好ムードを漂わせる試合にしようと関係者に働きかけるなどして懸命の裏工作を重ねていた。北朝鮮と手を握り合える関係であることを世界にアピールし、文政権の対北融和路線にさらなる弾みをつけようと考えていたからです。ところが逆に北朝鮮から足元を見られ、すべてが交渉過程で裏目に出てしまった」と嘆く。

要は文政権の描く〝夢物語〟にKFAの関係者やサッカー韓国代表の面々が付き合わされる形となり、思わぬとばっちりを受けたのだ。しかも態度を硬化させた北朝鮮側の禁止事項にも散々振り回された挙句、最後は無観客試合という「馬鹿にされた結末」で顔に泥を塗られた。

今月4日にソウル蚕室総合運動場で行われた第100回全国体育大会開会式に出席した文大統領は「この場で2032年ソウル・平壌五輪が開かれる日を願っている」と意気揚々とコメントしている。2028年ロサンゼルス大会の次回五輪開催地として南北共催で立候補したい考えをあらためて訴えてみせたが、具体的進展は一向に見られないのが現状だ。

しかも韓国政府側は2020年の東京五輪に南北合同チームを送り込む夢も未だに諦めていない。
しかしながらこれに関しても北朝鮮側が応じる気配はなく、完全にスルーされている。やはり文大統領としては関係が悪化する日本で開催される東京五輪において、少しでも自国の存在と自らの政治的手腕をアピールしたいのだろう。やたらと南北合同チームの結成を焦っているが、その狙いを見透かされているかのごとく北朝鮮・金正恩国務委員長からは好感触を得られない。それどころか、弾道ミサイル発射実験を頻発されるなど逆に敵意をむき出しにされる始末である。

南北両首脳が合意した昨年9月の平壌共同宣言から一年余り。前出の事情通は「1周年記念行事すら行われない事態に焦りまくる文政権の政治的策略によって、サッカー韓国代表は利用され、こうして酷い仕打ちにあった」と告発し、次のように怒りをぶつけた。
「本来ならば混同してはならないはずのスポーツと政治を同一視する文政権の手法は余りにも露骨過ぎる。今回の南北対決で〝被害〟にあった代表チームの選手たちも政府レベルの介入には心底嫌気がさしています。ベント監督が試合後、怒りのコメントを口にしましたが、本音は主審よりもこのような『馬鹿にされた結末』の試合環境を作り上げた政界の黒幕に対する抗議だったのは明白。何かと嫌韓姿勢の強い日本では韓国人のすべてを『悪』とみなすような傾向が強まっていますが、このように韓国スポーツ界では何の関係もない純粋なアスリートたちが文政権のダッチロールに付き合わされ、苦しめられている内情も知ってほしいです」

韓国・文政権は先日、大統領側近中の側近ともっぱらだった曺国法相が辞任に追い込まれ、大打撃を受けている。サッカー代表チームを筆頭にスポーツ界からもブーイングが上がり始めていることから、メッキが徐々に剥がれだしているのかもしれない。

スポーツや芸術文化交流が、平和に資するというのは、それらに政治的な意図が介在しない場合のことであり、また、スポーツマンシップや美意識で共有できるものがある場合に限ると思うのね。

ムン政権は、政治的な意図で赤化南北統一を演出するために、平昌五輪で女子アイスホッケー南北合同チームをでっち上げたのね。本来、五輪に出場するためにはチームとして予選を勝ち抜くなどが必要なんだけど、急ごしらえのこの合同チームには、本来、五輪出場権がなく、ムンジェインの「南北融和」の働きかけで、IOCも国際競技連盟もルールを曲げ、スポーツでもっとも尊重すべき公平性が大きく損なわれたのね。

ムン政権は、これを政治的に最大限に利用し、平昌五輪に先立ち、金正恩の愛人だったとされる玄松月率いる北朝鮮の「芸術団」を招致し、また、「美女応援団」を招致し、南北統一を華やかに演出したのよね。政治に利用された肝心の女子アイスホッケーチームは、当然チームワークも取れず、得点1、失点20の最下位で、韓国の選手たちの五輪に向けてきた努力は、政治に踏みにじられたのよ。

今回の平壌で行われた南北サッカー戦は、東京五輪での南北統一チーム、さらには2032年の五輪南北共催での誘致などに前のめりになっているムン政権は、この南北戦を友好的なものとし世界にアピールし、朝鮮半島の「運転手」として、南北統一につなげたかったんだろうけどね、でもね、試合は、観客なし、中継もなし、親善イベントもないようなもので、敵意むき出しのラフプレーの応酬で、韓国選手の言によれば、「記憶したくない」「無事に帰っただけでもありがたい」「もはや戦争だった」のようなものだったようだね。

まあー、韓国のサッカーは、日韓戦では常に日本に対して敵意むき出しで、「もはや戦争」のように見えていたけどね。今回はそれを北朝鮮のチームにお株を奪われたわけよね。それでも誰が見ても、この南北戦は「平和」に資するものではなく、むしろ互いに「敵意」を煽るだけのものでしかなかったのは事実だよ。にも拘わらず、ムン政権は観客を入れずに試合が行われたことについては、「韓国の応援団を受け付けなかった状況で、北朝鮮側が観客を入れなかったのは公正的な措置」なんだって。バッカじゃねー。

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ムン政権は、赤化南北統一を目指して、韓国民の「南北同一民族」の民族意識を利用し「赤化」を隠しながら、2032年のソウル・平壌五輪南北共同開催に向けて前のめりになっていたのよね。「五輪は平和の祭典」でお花畑脳のIOCバッハ会長を抱き込み、それなりに実現性はあったようだけどね。
今回の平壌南北サッカー戦は、スポーツが、政治を超えて平和に資するなどということは幻想にすぎないことを、韓国民にも強く印象付けたよな。そして、「南北同一民族」も「南北統一」も、現実的には容易なものではないことも、体感したと思うよ。そしてムン政権が進める「南北統一」は、北の理不尽な要求も受け入れなければ実現できるものではないということも、理解できたかもしれないね。もちろん、東京五輪の南北合同チームも五輪南北共催も、これで水の泡だろうね。