安倍首相が辞意を表明したよ。安倍首相以前の、1年にも満たないような状況で、ころころと政権が変わるような政治状況を脱し、まがりなりにも経済を立て直し、長期政権を実現し、外交安全保障問題でも、以前の民主党政権の時期に崩壊しかけた体制を立て直したのよね。引用は産経新聞(2020/08/28)ね。

安倍晋三首相は28日夕の記者会見で、体調悪化を理由に辞任すると正式に表明した。理由について「政治で最も重要なことは結果を出すことだ。7年8カ月、結果を出すために全身全霊を傾けてきたが、病気と治療を抱え、体力が万全でない苦痛の中、大切な政治判断を誤る、結果を出せないことがあってはならない」と語った。…

北朝鮮の拉致問題と憲法改正問題は、残してしまったのは残念だけどね。もちろん、最も残念に感じているのは安倍総理自身だろうけど。憲法改正では、まだまだ日本国内にじゃまっぱりする勢力が多く、自民党内にもそんな勢力があるようだよ。また拉致問題は、現実的には北朝鮮の政治体制をひっくり返さないかぎりむずかしく、残念なことに、憲法9条で縛られている日本にはそれはできず、アメリカが本気で北の体制をひっくり返すのを待つしかない状況だったような。

それでも、安倍総理は、これまで散々てこずってきた日韓間の歴史問題に決着をつけたと私は思っているのね。安倍総理の在任期間中に、地味に歴史戦を戦ってきた先人たちのおかげもあり、慰安婦問題のウソや、徴用工のウソが、多くの日本国民の知るところとなったのよ。

そして、それまでの歴史問題での日本の妥協や配慮が、日韓関係を抜き差しならぬものにしてきたことが明らかになり、安倍総理はそのような政治状況の中で、日韓間の虚偽の歴史問題での妥協をやめたのよね。もうすでに、誰が総理となろうと、この流れは変えることができないと思うけどね。もしそんなことをすれば、その政権はあっというまに支持を失い奈落の底だよ。

それでも、安倍政権の経済政策には私は批判的なのね。アベノミクスで、取りあえずは民主党政権時の「物価は安く、給料は高く」の無茶な政策に区切りをつけて、一応の日本経済の立て直しができたんだけどね。でもね、アベノミクスの根本はグローバル経済で、その問題点が、最近はIR贈収賄問題や、中共コロナ問題から見えてきた、サプライチェーンの問題なわけよ。

次期総理には、中共コロナからの経済立て直しの中で、この問題が大きくのしかかってきそうだよな。また、米中貿易戦争や、南シナ海や東シナ海での中国の覇権拡大に対する安全保障の問題、北朝鮮の核ミサイルに対する備え、などなど問題山積だよ。

いよいよ「ポスト安倍」を巡って、マスコミも騒ぎ始めているようだけどね。でもね、中共コロナ禍での外交や経済など、現実的につないでくれる人物でなければならないよ。こんな時期でも、野田聖子や小泉進次郎なんて名前を出す向きもあるんだけど、それに石破氏なんかも「おだってる」場合じゃないよな。現実的には岸田氏か菅氏かということになるんだろうね。

結果的に総理大臣を選ぶことになる自民党の総裁選で、一票を投じる資格を持つ方々には、ポストやカネの派閥の論理ではなく、大義をもって選んでほしいものだよ。