韓国の公務員が、延坪島周辺海域で、射殺され遺体は焼却されたというニュースが駆けまわっている中、テレ朝ニュースがなんとも間の抜けたニュースを流しているよ。ムンタンがキムタンに台風やコロナ対応を慰労する親書を送り、キムタンからはその返書を受け取ったとするニュースなのね。それも、9月8日親書を送っているという20日も前の気の抜けたビールみたいな話なんだけど。最後に少しだけ、今回の射殺事件に関して、キムタンが謝罪したということを付け加えている、視聴者をバカにしているようなニュースなのよ。音声画像引用はテレ朝ニュース(2020/09/26)ね。

韓国大統領府は文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北朝鮮の金正恩委員長に新型コロナウイルスや台風を巡る対応をねぎらう親書を送り、感謝の返事を受け取ったと明らかにしました。

韓国大統領府の発表によりますと、文大統領は8日、金委員長宛てに「生命尊重への強い意志に敬意を表する」などと新型コロナウイルスや相次いだ台風対応を慰労する親書を送りました。金委員長からは4日後の12日に、「深い同胞愛を感じた」などとする返事が送られてきたということです。金委員長は韓国のニュースを耳にしたとしたうえで、「韓国が経験している苦しみと痛みをともにしたい」ともつづっています。金委員長は22日に起きた韓国の民間人射殺事件で異例の謝罪を行い、韓国に友好的な姿勢を示しています。

面白いと言えば面白いニュースだけどね。視聴者をだます気満々のように私には思えたのね。

このニュースの構成は、9月8日にムンタンがキムタンに、台風やコロナでの慰労の親書を送り、9月12日に、キムタンからは「深い同胞愛を感じた」などとする「心温まる返書」が届いたということをメインにしているのね。そして今回の韓国公務員氏の射殺・焼却事件に関しては全く触れずに、「金委員長は22日に起きた韓国の民間人射殺事件で異例の謝罪を行い、韓国に友好的な姿勢を示しています。」の一行だけ。テレ朝としては、今回の問題を、「不幸な事故」とかで終わらせたいんだろうけどね。

朝日新聞やテレ朝の情報は、結論が先にあり、嘘とは言えない小さな素材を集め、こねくり回し、決めている結論に反するようなものは、重要な真実であっても切り捨て、出したい結論に結び付けていく。その結果は嘘ではないんだけど、捏造ともいえる真実の隠蔽になっているのよ。そう見ていけば、このニュースが、いかに視聴者を愚弄したものか分かるよね。

今回の事件の真実は、コロナに怯える北朝鮮の、「越境してくるものは、動物でも射殺」という、北朝鮮の独裁的なトップダウンの命令から来ているものなんだよ。また、そのような北朝鮮に対して、融和政策をとっている韓国の、北を刺激したくないことから、国民から情報を隠し、自国民を見殺しにしたムン政権の問題で、南北ともに存在する非人道的な体質の問題だと思うけどね。

今回の問題では、ムン政権側から、射殺された公務員氏が「脱南」しようとしていた、などの情報が出ているけど、私もそうじゃないかと思ってはいるけどね、でもね、それは本質的な問題ではないのよ。日本の領海で同様のことがあったら、まずは救助だよね。そして暖かいものでも食べさせて、調書を取り、国内法にもとづき、強制送還するなり拘束するなりということになるよな。それを、非武装の、疲労困憊の公務員氏を海から上げることもせず、6時間近くも尋問し、そのまま射殺し、なおかつ海上で遺体を焼却したとかいうんだよな。

それに、韓国側は、その一部始終を把握しながら、殺されるまでリアルタイムに見ていただけというから驚くよ。さらにその情報は、大統領にも確実に伝えられていたはずが、「終戦宣言」「北東アジア防疫共同体」とかの妄想に忙しかったようで、結局は自国民を見殺し。大統領府は、北と通信する手段がなかったとかごまかしているんだけど、北に親書送ってるんじゃねーの。間に合わなかったにしても最善を尽くすべきだったと思うよ。

今回の事件は、南北ともに、国民の生命と人権をないがしろにしている、ということが明らかになったものであり、現時点では、「南北統一」「我が民族同士」が妄想にすぎないということが明らかになったということだと思うけどね。

しかし、テレ朝、ほんとアホだよな。