森会長の「女性蔑視発言」を受けての大騒動、私はどうも違和感があるのよね。現在は、森会長の辞任が決まり、後任選びに入っているようだけど、コロナの中での東京五輪、中止や延期論まで含めて、うまくまとめられる人物とか、思い浮かばないんだけどね。この騒ぎには、どうも裏がありそうに感じるんだけど、五輪を失敗させて政局にしようとかなんだろうか。画像音声引用は日テレニュース(2021/02/13)ね。

(音声)

森会長の「女性蔑視発言」なるものは、恐らくは、「女性理事を4割」という文科省への軽い不満が根底にあったのかもね。男女にかかわらず、その職責に応じた有能な人物を選ぶのが、真の男女平等だと思うんだけど、それを日本は多くのところで、「女性を〇割」という具合に網をかけているのよね。それって男女平等なわけ?

今回の森氏の発言で、特に大きな問題だとされているのは「女性を会議に入れると会話が長くなる」「女性っていうのは優れているところですが競争意識が強い。誰か1人が手を挙げると、自分も言わなきゃいけないと思うんでしょうね」の2点のようだけど、恐らく、森氏が参加した個別の会議の中で、そのようなことがあったんだろうね。ただ、個別の問題を「女性の問題」として一般化して言ったことに問題はあるよ。

私もたまに出る会議とかで、女性と限った話ではないけど、テーマからずれた話を延々とする方もいるよ。またそのような話を援護補強しようとしてか話をはじめ、ますますテーマから遠ざかってしまうようなこともあるよ。あるいは、自分だけの小さな世界での経験を、一般化して話し、会議を混乱させるような方もいるよな。テーマに基づいて会議を進めなければならない立場からすると、そういうのって結構はた迷惑なのよ。おそらくは森氏の周囲に、そういう女性理事がいたのかもね。

森氏は、もともと失言が多く、首相在任中には、日本を「天皇を中心としている神の国」と表現して物議を醸したことがあったよね。その他にも失言は枚挙にいとまがないよ。それでも政治家としては調整型の政治家で、表に出ることよりも、陰でそれぞれの利権やメンツを調整し、全体として本道を進めるように地ならしをしていくような政治家だと思っているのね。今回の東京五輪でも、メイン会場の設計変更や、エンブレム問題、会場変更の問題などで、森氏の果たした役割は大きいと思うのよ。

それを、メディアは「女性蔑視」として拡大し、コロナ渦でストレスがたまる町中に繰り出し、インタビューやらで世論を誘導し、森氏の会長辞任の道付けをしてしまったのよ。森氏は今回の問題発言を撤回しており、またこれまでの功績をふまえ、「反省した上で、オリンピックの成功に向けて努力をしていただきたい」のような寛容さはまったくないのよ。83歳の老人の失言を、鬼の首を取ったかのように攻撃し、何が何でも徹底的につぶしてやらなければ気が済まない、そういう狂気の渦に日本国民全員が巻き込まれているような状況をつくってしまった。

その結果、出てきたのが、森氏のような老人を老害とし、「新会長には若い女性を」とか「世代交代を」とかで、現在のところ、候補者として橋本五輪相、鈴木大地前スポーツ庁長官、丸川珠代前オリパラ担当相の名前が出ているようだけどね。

現実として、五輪委員会会長は、アスリートやボランティア達への配慮だけではないのよ。前にも書いたように、国内はもちろんだけど、メディアの放映権など、国際的な利害関係を調整しなければならないのよね。さらにはここにきて、コロナの問題で、国際的に一定の納得が得られる形での可否も判断しなければならないのよ。ここで会長候補として挙がっている方々にそれができるかといえば、まず無理だと思うよ。しいて言えばできるのは安倍前総理くらいしかいないと思うのよ。また東京五輪を完璧に失敗させたければ、蓮舫氏なんかいいかもね。

この問題でのメディアの「狂騒」は、なんか、「男女共同▲」や、それに続く「民主党ヨイショ」に似ているような気がするのよね。陰でいったい何がうごめいているんだろうか。