日本学術会議の問題、左翼メディアはその本質的な問題点には蓋をしたまま、菅義偉総理が、任命を拒否した手続き的な問題を責め立て、これまでの「左翼の巣窟」の学術会議を守ろうとしているようだけどね。でもね、ここに至って、逆に学術会議の問題点が、一般にも広く知られるようになり、左翼メディアの思惑とは異なった形で、日本学術会議の存否まで含めた議論になりつつあるよな。引用:Japan In-depth(2020/10/08)ね。

いま国政の場で論議の的となる日本学術会議に関して、重大な事実が一つ、無視されているようだ。首相の任命する210人の会員で運営されるかのように報じられるこの組織には実際には首相に任命はされない2000人もの「連携会員」と呼ばれる別個の会員たちがいて、首相任命の会員たちと一体になって活動している事実である。

日本学術会議自体は組織の要員は2200人だと宣言している。みな同じ国家公務員として扱われる。だがそのうちの約2000人は日本学術会議の会長によって任命される。

だからこの組織自体は現実には政府機関ではなくなっているのだとさえいえる。なぜなら連携会員も会員も同会議では一体となり、同じ活動を推進しており、同会議全体としてはその全メンバーの9割が政府のまったく管轄外で選ばれているからだ。

いま国会やメディアをにぎわす日本学術会議の会員任命の是非論義はこの重大な事実に触れていないのである。

今回の論議は菅義偉首相が政府機関の日本学術会議に対して一部の新会員候補の任命を認めなかったことが契機となった。同会議は科学に関して首相の諮問に答えて、答申や勧告することを最大任務とする国家機関とされる。だからそのメンバーは首相が任命する権利が法律で明記されている。ということは一定候補の任命をしない権利も当然、認められることとなる。いま野党や一部メディアはその権利までは批判しないが、今回の6人の会員候補を任命しなかった理由の開示を要求している。

だが国家が国家機関の公務員の非任命の理由を明かすとなると、当然、任命の理由も開示すべきだという考え方も出てくる。だから現実には政府が任命を考えた人事案件のすべてについてその結果にいたる理由を説明することなど、国家機関として非現実的であり、物理的にも不可能に近いだろう。民間の企業の場合でも、社員の採用の是非や昇進の理由を個別に開示することは、非現実的である。

日本学術会議の場合は国家が設置して、管理する政府機関としては、すでに奇妙な現状となっているのだ。同会議の実際のメンバーの9割以上が首相の任命ではないからだ。この連携会員というのは実際には会員と同じ活動にかかわるメンバーなのである。

同会議自体の「会員と連携会員の位置付け」という公式説明でも、両者の活動の差異はほとんどない。連携会員も会員と同じように同会議の設けた30以上の各委員会や分科会に加わり、「連携し一体となって」活動することが明記されているのだ。

同会議の活動方針宣言でも「210人の会員と約2000人の連携会員によって職務が担われている」と記して、会議のメンバーは合計2210人であることを明確にしている。そして連携会員は一般の会員を推薦する権利も与えられて、一般会員が6年任期で再選が認められないのに、連携会員は再選も許されるという優遇ぶりなのだ。

また連携会員も一般会員と同じく国家公務員として扱われ、非常勤ではあるが、日当や経費は同様に支給されている。そして最重要な点として、この連携会員は政府とはまったく無関係に日本学術会議の会長の権限だけで任命されるのだ。だから同会議のメンバーの9割以上が組織自体の任命権者の首相の権限外にあるわけである。いかにもおかしな国家機関だといえよう。

やはりこんな決定的な欠陥を示す日本学術会議はいっそ民営化してしまうか、政府機関としてならば根本的な見直しを断行するべきであろう。

正直言うとね、日本学術会議なるものの問題点を、恥ずかしながら私はあまり知らなかったのね。先日アップした動画に上げた、北海道大学の問題や、京都大学と朝鮮総連の問題などは、個々の問題としては知っていたけど、その裏には、学術会議との関連が見え隠れするよ。

日本学術会議は、日教組等の組合組織に見られる、「民主主義」を標榜しながらの、一党独裁的な上意下達の組織で、冷戦構造を背景にした20世紀の遺物と言える組織のようだよね。特に学術会議は、権威に弱いマスメディアを利用し、実際にはごく少数の考えに「権威」で色付けし、政治に反映させようとしているように見えるのね。その為には、当然、組織としては人数は多い方がよく、しかも、民主主義の原則の「多数決」を取らないで済む組織が必要だったのだろうね。

そこで出てくるのが、この記事の「連携会員」というわけなんだろうね。この記事によれば、日本学術会議の会員は、総理大臣が任命する200人の「会員」のほかに、学術会議会長が任命する2000人の「連携会員」で組織されるとあるよ。そしてまた、この「連携会員」と一般会員とは、ほとんど差がなく、むしろ一般会員が6年任期で再選が認められてはいないのに、連携会員は再選も許されてるんだって。これならどう転んでも、会長を中心としたごく一部の考え方だけで大学を牛耳ることができるよね。

本来、科学的な専門知識により、政府の諮問に答えるべき政府組織が、トップ数人の恣意的な考え方に支配されているわけなのよね。そんな組織に政府が諮問することなんかできないよ。それでも、学術会議は、「政府組織」としての強みを生かし、「兵器の研究は行うべきではない」とかで、各大学にプレッシャーをかけて、「学問の自由」を阻害しているわけよね。

こんな組織、21世紀に存在するべきではないよ。恐らく、菅総理の考えもそうなんではと思うんだけど。だとすると、今回の菅総理の「任命拒否」は、一種の「釣り」であり、左翼メディアも引っ張り出して、学術会議の内実を明らかにし、世論を喚起することにあるのかもね。そして解散総選挙。菅総理はもしかしてとんでもない策士かも。ガンバ、ガースー。